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『夢見月夜曲』は日高千湖のオリジナルBL小説ブログです。

あまりてなどか人の恋しき・35

「ずっと、ずっと、彰彦のことが好きだった」

そう告白してくれた大貴は、自分の言葉を誤魔化したいのか、なかった事にしたいのか、耳を押さえて「あああああああああ!!」と叫び続けた。

大貴の言葉の端々からは澤村に対する嫉妬が窺えて信じられないし、何より嬉しかった。

思いがけない大貴の告白に心は浮き立つ。大貴を落ち着かせる為にも、大貴の背後から大貴の耳に当てられた手を外した。大貴は観念したように、小さくなって俯いた。


「俺は腐った魚だから、もう転校する」

『腐った魚』って、何だよ?全く、トンチンカンなヤツだな、お前は。

「はあ?」

「お前に会わなくても済むように」

さっきは俺の事を「ずっと好きだった」と言ったクセに、もう俺に会いたくないのかよ?

「どこか遠くの学校を探さなきゃ。俺、忙しいから帰る!」

「遠くの学校」って、何だよ?もう三年生なのに、どこに転校するって言うんだよ。ホント、可愛い事を言うんだから。

立ち上がろうとする大貴を押し留めて、俺は腕を大貴の胸の辺りでクロスして後ろから抱き締めた。今更ジタバタするのが可愛いんだよなあ。

俺の耳は、ちゃんと聞こえているよ。

「腐った魚って、なんだよ。ピンピンしてるじゃないか。言いたくないなら言わなくてもいいから。そのかわりに俺の話しを聞いてから帰れよ。折角だからさ」

そう言うと、大貴は素直に頷いて大人しくなった。俺は大貴の頭をそっと撫でた。

「好きだ、大貴。ずっと、ずっと、ずっと好きだった。どうしようもなかったんだよ、気持ちのやり場がなくて・・・。いつか伝えたいと思い続けていたのに、渡部のことで、おかしくなった。ずっと、誰も手出し出来ないように予防線を張って、俺だけのものだと思っていたのに、他のヤツに触れられたかと思うと悔しくて。夏休みにはアメリカに行って渡部のこと、気の済むまで殴ってやろうと思ってた」

大貴の柔らかな髪の感触が頬に触れて、嬉しさの余りに思わず髪に唇を押し当てた。大貴の髪からはいつものシャンプーの香りがして、俺の幸福感が募る。

俺は自分の思いの全てを込めて、腕の中の大貴をギュッと抱き締めた。

「あ、彰彦、手を離して」

苦しくなったのかな?だが、手を離して逃げられても困る。

「逃げるから、イヤだ」

「顔、見たい」

なんて可愛いこと言うんだよ、お前は。

 俺はソファーを回っていく間も惜しくて、そのままソファーを乗り越えた。ソファーには座らずに大貴の前に膝を付いた。大貴の手を取り俺の大切な天使に、この日二度目の告白をした。


「大貴、好きだ」

「うん」

「うん」と、頷く大貴。でも、彼の口からは「好き」という言葉は出てこない。

「お前は?」

「うん」

大貴からは、恥ずかしそうな「うん」が返ってきた。俺は苦笑しながら、再度「好き」を待つ。

「『うん』、じゃないだろ?なんて言うんだ?」


恥ずかしそうに目を逸らす大貴の頬が赤く染まり、白い肌とのコントラストが俺の欲情を誘う。

大貴にキスしたい。いっぱい触れた。横を向いた大貴の顔を両手で捉えて・・・ああ、このまま唇を奪ってしまいたい。

だが、大貴の「好き」が小学生レベルのヤキモチからきたものなのか、それとも恋愛感情の「好き」なのか、俺には判断が付かない。このままキスしたら、また逃げられてしまうかもしれない。

やはり、ここはじっくりと行くべきだ。


「俺はずっと大貴に触れたかったんだ。たくさん触って、キスしたり、服を脱がせてイヤラシイことしたいと思ってたんだ。わかる?」

俺は、大貴を性的対象として見ていることを正直に伝えた。大貴は俺の気持ちを理解したのだろう、コクンと頷いた。もう、それだけでいい。

俺と大貴の気持ちは同じ。

今は、それが互いに伝わっただけでもいい。

でも・・・触れたい、大貴を抱き締めて、キスして、そのままベッドになだれ込んで、裸で抱き合いたい。

「じゃ、触ってもいい?」

そう聞くと、また一つ頷いてくれる。俯く大貴の赤くなったうなじに、キスしたい。

そこに、俺が触れたのだ、と俺の痕跡を残したい。

 そして、赤くて柔らかそうな唇。我慢出来なくて俺は、指先で大貴の唇に触れた。

「キスしたかった、ここに」

柔らかい・・・。ふわふわのマシュマロみたいだった。唇の形に沿ってゆっくり指を這わせると、大貴の身体に緊張が走る。ピクッと身体が揺れるのがわかる。

ああ、キスだけでも、したい。


俺の下半身は既に飽和状態なんだよ、大貴。ジーンズの下で張り詰めてしまったモノを持て余しながら、これを解放する方法を模索するが・・・。

怖がらせてもいけない。とにかく、キスのお許しを貰おう。


「していい?」

唇を撫でながら聞くと、身体をブルッと振るわせた大貴は小さく「あっ」と、声を上げた。

感じているのか、驚いているのか・・・。

ここは自分に都合よく「感じている」と判断して、この奥の部屋に堂々と鎮座するどでかいベッドを有効活用すべく、大貴に一気に攻勢をかけた。


「いい?」

観念したように頷く大貴の拒否権は、全て剥奪だ。目を合わせて満足の微笑をくれてやる。

「好きだよ、大貴だけだ」

そっと、大貴の柔らかな唇を奪う。

初めてこの唇に触れた者を、神さま罰してください!俺だけのものだったのに!


 一度でいいから、と考えていたのに。一度唇を合わせれば物足りなさを感じる。人間って、ホント欲深い生き物だよ。キスを頂いたら、俺はその次を求めている。

再度唇を合わせたが、もう、堪らなかった。柔らかくてふわふわした唇。何度かキスをするうちに、大貴の唇は熟れた果実のように赤さが増して、唾液で濡れたそれは魔術のように俺を誘い込む。

「・・・ん・・・んっ・・・」

大貴の唇から零れる甘い喘ぎがますます俺を興奮させ、「もっとシて」と言っているようだった。唇を離して大貴の顔を見ようとしたが、恥ずかしがって顔を上げない。

「大貴、キス好き?」

「うん」

大貴は「女の子と経験がある」、と言っていたが回数は多くないようだ。それがわかり、ちょっとだけ嬉しかったりする。

「今までに何人とキスした?」

素直な天使は「わかんない」と、答えた。

「わかんない」くらいしたのか?俺の小さな許容心はすでに満杯だ。

「ふうん。じゃ、思い出してもらうよ。場所を変えて、じっくりとね」

大貴の手首を引いて立たせ、ベッドルームに連れ込む。大貴はあたふたしながらも付いて来て大きなベッドを見て「うわっ」と声を上げた。

俺には、大貴に四の五の言わせる気はない。その甘くて柔らかそうな身体を、思いっきりベッドに投げ投げた。

「わあっ」

俺は大貴に圧し掛かって再びその唇を吸い上げると舌を捻じ込む。なんと柔らかで、なんと甘いんだ、君の唇は。

今なら、詩人になれそうだ。

何度も、何度も、その甘さを味わった。とことん味わい尽くしたいのに、大貴は苦しくなったのか俺の背中を叩いて抗議する。

「んっ、んっんん」

可愛い抗議だったが、俺はパンパンになった下半身をどうにかしたいんだよ、大貴。唇を解放して、今度はそれをお許し頂かなければならない。

*****

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すみません。昨日は朝から、お出掛けでした。

これを旧ブログにUPした時、彰彦は「ポエマー彰彦」と呼ばれていましたね。懐かしいけど、修正が多過ぎて大変www

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