『夢見月夜曲』は日高千湖のオリジナルBL小説ブログです。

さしもしらじな萌える思いを・1~『あまりてなどか人の恋しき』番外編

★今回一部18歳未満閲覧禁止です。年齢に達していない方、表現がお嫌いな方は回避願います!




『よう!どうした?』

「井上。実は・・・」

悶々としていた俺に気付き相談に乗ってくれた親友の井上に、大貴との事を報告したのは日曜日の夜だった。

『よかったな!大貴は具合が悪そうだし、お前は機嫌が悪いし。クラスの雰囲気もおかしくなっていたからさ、気になっていたんだよ。上手くいったのなら、めでたしめでたしだ』

「ありがとう」

『美術室の鍵ならいつでも言えよ。貸すから!じゃ!』

なんて良いヤツなんだ、井上くん!

しかしアイツ、どうして美術室の鍵を持ってるんだ?

専門棟にある特別教室の鍵は、昼休みと授業のある時間、それから生物部や美術部が部活動に使う放課後しか開いていないのだ。

理由は当然、授業をサボって籠もる生徒たちがいるからだった。それは星望学園特有の事情だ。

だが、俺の驚きはそれだけでは済まされなかった。

 翌朝、登校してきた井上に早速、「美術室の鍵を貸してくれ」と言うと、ベルトに付けたチェーンの先に付いた革のキーケースを取り出した。そこには何本もの鍵が見えた。

「何だこれ?」

「ああ、これ。井上一族の汗と涙の結晶。代々の井上一族が苦労して集めた逢引ポイントの鍵だよ」

井上は自慢げにキーケースを見せると、「内緒な」と笑った。

「お前・・・」

「美術室、PC室、屋上に、体育準備室、図書館、生徒会室、全部室が開けられるマスターキー」

全部室のマスターキーなんて、教頭しか持ってないはずだぞ?ホント怖いよ、井上。こいつだけは敵に回すまい、と心に決めた。

「放課後までには返せよ。失くすなよ」

「わかった」

返します、返します。これを返さないと恐ろしい事が待っている気がするよ、井上。


 こうして美術室の鍵を手に入れた俺は、昨日買ったローションの小瓶と鍵を体操服のポケットに忍ばせ、グラウンドへと走り出た。

二時間目は体育の授業だ。サッカーだったが大貴は「彰彦の所為でみんなの前で着替えられないじゃないか!」と怒り、今日は無念の見学だ。

ベンチにちょこんと座り、俺を見ている大貴。時々大貴を見ると、ニコニコして俺を見ている。目が合って手を振ると、さっと俯く。

か、可愛い!

サッカーも飽きたことだし、そろそろ違う運動がしたいよな・・・。井上に目配せしてから俺は大貴に駆け寄った。

「なんだよ!」

もう少し可愛い言い方ないかなあ?最愛の恋人の俺が駆け寄ると、大貴は仰け反るようにして俺を避けた。

「大貴、来い!」

無理矢理立ち上がらせて引き摺る俺に、抵抗する大貴。それを見た井上が、腹を抱えて笑っている。

「先生!大貴の顔色が悪いから保健室に連れて行きます!」

そう宣言して、俺はクラス全員の前から大貴を連れ去った。

 大貴は大人しく付いてきたが、顔がまっ赤だ。なんて言うのかな、いちいち俺の萌えツボを押してくるんだよなあ。

保健室ではなく美術室へ向かう俺に、「彰彦!保健室はこっちだぞ!」とご丁寧に知らせてくれる。

「保健室じゃなくて、美術室だろ?」

俺はポケットから鍵を出して見せた。目の前でブラブラする鍵を見て、大貴は呆気に取られている。だが、それの意味を理解して頬を真っ赤にした。

俺は大貴の尻を軽く撫で上げる。

「ええっ!」

驚く大貴を無視してグイグイ手を引き、美術室の前まで行った。俺が鍵を開けようと手を離した隙を狙って、大貴は逃げようとする。だが俺は腰をガッチリと掴み、ホールドしたまま中に入った。

俺は暴れる大貴の希望どおりに、ソファーに身体を投げ出した。ソファーの上で弾む大貴の身体に圧し掛かる。

「もう、我慢出来ないよ。大貴」

赤い痕が見えないように、きっちりと顎の下まで上げたジャージのファスナーがかえって禁欲的だ。ファスナーをジジッと音を立てながら下ろしていくと、大貴も観念したように大人しく脱がされていく。

 体操服だから脱がせるのは簡単だ。脱がせてください、と言わんばかりのジャージと体操服を全て脱がせて、俺も体操服を一気に脱ぎ捨てた。

「あ、彰彦!」

「なんだよ?お前は俺と美術室に来たかったんだろ?」

『美術室』でのサボタージュは、大貴の『したかった事』なのだという事を思い出させてやる。

「そ、それは!まあ・・・そうだけど・・・ほ、保健室は、いいのか?」

まだ、言ってる。保健室は授業を抜け出す言い訳だろ?わかれよ!ゴチャゴチャ言う大貴を無視して、俺は大貴をソノ気にさせるべく愛撫を開始する。

「ホントに、澤村とは何にもないんだな!?」

「まだ、疑ってるんだ?信じてよ・・・大貴だけだよ?」

そう言うと、大貴は俺の首に腕を回して自ら唇を強請った。澤村とのキスは一生胸に収めておこう。あれは『なかったこと』だ。


 胸の尖りを口に含むと、途端に大貴の声に甘さが混じる。

「あん、やあっ・・」

少しずつ勃ち上がっている大貴の分身を握ると、俺の手に擦りつける様にして快感を追う。

「ヤダ」とか「やめろ」とか言うわりには、快感に流される敏感な身体に煽られて、俺のモノも目一杯に勃ち上がっていた。ローションを手に受けて、大貴のまだ硬く閉ざした後ろに指を這わせた。

後孔をゆっくりと撫で回してやると、大貴の口からは色っぽい声が溢れ出してくる。

「ん・・・はあ、っん」

「大貴、声、エロいよ」

その声に直撃され、ますます張り詰める俺の分身に「落ち着け!」と言い聞かせて、大貴をうつ伏せにした。後孔に俺の猛ったモノを押し当てると、大貴は色っぽい声を上げた。

「はあん」

待ってましたとばかりに大貴の後孔に迎え入れられて、先端をキュッと締め付けられる。その刺激をやり過ごしながら、俺はゆっくりと奥にモノを進める。

「あ、あき・・・ひこ、お前、なんで、ここの、鍵・・・持って・・・るん、だ?ああっ!」

ホント、どうでもいいだろそんな話!後で聞けよ。

「ああ、これ!井上から借りた・・・。くっ、大貴、緩めて」

収縮を繰り返し俺を締め上げる内部。締め付けがきつくて動けない。思わず「緩めて」と、言ったが大貴が自由に出来るわけでもないらしく、俺はやり過ごすことに専念した。

「ひっ、ああん、やめ・・・て!う・・・ん・・・っ」

「井上は何でも持っているぞ。ここの鍵に、体育準備室の鍵、図書館に、生徒会室、PC室まで持ってやがる」

「ああん、ど・・・して?やあ・・・っ」

「さあね」


もう、限界。大貴の腰をしっかりと掴み、一番奥まで突き入れた。

「ああっ!」と、一際大きく声を上げて背を仰け反らせた大貴はソファーの肘宛部分にしがみ付き、可愛いお尻を揺する。感じる部分に先端を当ててやると、嬌声を上げて快感を追う姿が艶かしい。

ローションを使ったから出入りがしやすくなった。大貴も感じやすいのだろう。その反応を見ながら、俺は緩急を付けて腰を打ち付け頂点を目指す。

「あ、あき、ひこ・・・ダメ!イッちゃう!」

「イッちゃう!」なんて。ああ、可愛いよ。大貴!

「大貴、俺も!」

喘ぎ続ける大貴の身体を抱き締めながら、勃ち上がる大貴の分身を擦ってやりながら、俺も夢中になって腰を使い一気に吐き出した。


「はあ、はあっ・・・も、彰彦のバカ!」

息使い荒く、色っぽい眼差しで睨み付ける大貴が可愛い。次には必ず「水!」だ。

「水!水、持ってこい!」

ほらな!

「はい、はい」と返事をすると「『はい』は一回だ!」・・・やっぱり、と可笑しくなった。

 井上がここに常備しているらしいペットボトルを(しかも、余所の部室だ)取って渡す。濡れタオルで汚れた身体を拭ってやると、素直にお殿さまみたいにジッとして拭かれている大貴。大物だな。

「早くジャージを着ないと、また欲情しちゃうよ?」

笑いながらそう言うと、大貴は慌てて服を着始めた。その様子も、オタオタしてて可愛い。

俺自身ちょっと落ち着かないとまた襲ってしまうぞ。俺は反省しながら汚したソファーを拭き、情事の痕跡を隠した。これも、井上の入れ知恵だったりする。

大貴は興味津々といった様子だ。

「なんで井上は、用務員さん並みに鍵持ってんの?」

これは井上一族の努力の結晶だぞ。腰に学校中の鍵をジャラジャラとぶら下げて歩く、『鍵爺』とあだ名されてる学校の用務員さんと同列かよ。

いいか、大貴。

『鍵爺』は仕事熱心のあまりに、生徒や先生の「今すぐにここ開けて欲しい!」の無茶振りにいつでも答えられるようにと、職務を全うすべく鍵の束を持ち歩いてるのだよ。

彼は「仕事」として、持たざるを得ないのだ。彼の仕事に対する情熱には頭が下がる。学校にとって彼は大切な人物だ。

しかしだ。井上は一族総出で長年掛けて、鍵を集めたんだぞ。そこんとこ、勘違いするなよ?

敬意を払えよ、井上一族に!

「井上一族の汗と涙の結晶らしいぞ」

そう教えると大貴は呆れたような顔で、「CIAも真っ青だな」と呟いた。

そして急に、「彰彦!今日から一週間、お前謹慎だぞ!」と言って立ち上がったかと思うと、フニャフニャと座り込む。膝に力が入らず立ち上がれないようだ。

ジタバタ暴れる大貴をお姫さまだっこで保健室に運んだ。今は保健室のベッドの上でスヤスヤと寝息を立てている。

寝顔の可愛さに頬が緩む。保健室の葉山先生が覗き込んで「可愛い寝顔だな。この子、面白いね」と笑ったが、葉山先生、寝顔を見るのは禁止ですよ?


 この可愛い存在を俺の傍でずっと愛でていたい。

ずっと、頬に触れていたい、ずっと、キスしていたい。そんな我が儘な俺のことを許してくれて、要求に応えてくれる大貴のことを俺は一生愛し続けよう。


*****

ご訪問ありがとうございます!ごゆっくりお過ごしくださいませ! 

さて、ここでタイトルになってる和歌の意味をピラッと・・・。

「浅茅生の小野の篠原忍ぶれど あまりてなどか人の恋しき」は、百人一首に撰ばれています。

上の句の「篠原」と「しのぶ」の「しの」を重ねることで忍びきれずに溢れ出しそうな恋心を表現しています。「あまりて」は「思い余って、恋心を忍びきれない」、「などか」は「どうしてか」という、意味です。

直訳すると「浅茅の生えている小野の篠原の「しの」のように、自分の思いを隠して忍んでいるけれど、もう、忍びきれない。どうして、あの人のことがこんなに恋しいのだろう」という感じです。

ずっと、片想いをしてきた彰彦くんの心情を感じてもらえるかな?と、この和歌をタイトルにしました。

長い間、拙い文章を晒し続けておりましたが、かなり書き直しました。読んでくださってありがとうございました!こちらは、初美術室エチの大貴サイドとなります。お暇でしたらお立ち寄り下さい♪→《野守は見ずや君が袖振る》~『さしもしらじな燃ゆる思いを』番外編
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