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『夢見月夜曲』は日高千湖のオリジナルBL小説ブログです。

青い朝・1~『待つ夜ながらの有明の月』番外編

★皆さま、お久し振りです~♪BBA日高が戻って参りました~(笑)

2月28日まで開催しておりました『日高さんがリタイアする前に絶対に読みたいキャラに一押し!リクエスト祭り♪』にご参加くださいましてありがとうございました!

結果はこちらでご確認くださいませ。→

後程、結果につきましては記事を上げさせて頂きますね♪

見事に第1位を獲得しました「輝也&圭介」のSSとなります!

当初は「橋本圭介」で票を伸ばしていたのですが、2、3日後に「輝也&圭介」が追加されると「橋本圭介」の票は全く伸びなくなりましたね(笑)圭介単独での票が58票(28日現在)ございますので、今回は圭介目線で書かせて頂きました♪

時期としましては夏の果ての裏側で、俺は呟くから半年後、という感じでしょうか?

では、どうぞ!!


【青い朝】


 山下くんは鬼だ。綺麗な顔をした鬼は、俺がサボろうとするとすかさずそれを阻んでいたチビ軍曹・しーちゃんこと志村朝陽の異動を決定した。

その上、俺の輝也の異動も決めたのだ。山下くんだけで決めたわけではないにしろ、現在『S-five』の人事決定権は山下くんと三木くんに委ねられているのだから、「山下くんが決めた」と思って間違いない。

 《シェーナ》の隣の店舗を『S-five』が購入したのは半年前。三木くんがそこを、隠れ家風の会員制カフェ&レストランにしようと張り切っているのも知っている。

店長には当然の如く、黒川嘉美の名前が上がっていた。

 黒川が店長を務めている《花宴》の隣にあった中華料理店が閉店し、そこに『S-five』が出店する事になった。

それが《サラダボックス・B》だ。現在はそこと《花宴》の2店を、黒川が担当している。

 元中華料理店の真っ赤な円柱を白く塗り替え、柱に沿ってカウンターを造りイートインスペースにした。椅子はスツールだ。黒川の主張が通り、テーブル席はなし。

客層は、高級路線の《花宴》とは違って付近のオフィスに勤務するサラリーマンやOLたちが中心だ。ランチの時間帯にノンビリとする客はそうそう多くはないから、蕎麦屋並みに客の回転が早い。

サラダの容器は洒落た紙箱。ラッピングペーパーは英字新聞。ベーグルとサラダのセットを中心としたメニューだが、《サラダボックス・B》はあっという間に人気店になった。午前11時から午後15時まで、という営業時間だが売り上げも上々。早速2号店を出す事になり、その実績からみても新店舗の責任者は「黒川当確」と見ていたのだが・・・。

 大番狂わせだった。《BlauGarten》(ブラウガルテン)と名付けられた店を任されたのは、なんと福原輝也だったのだ。それを知った俺は、決済印をもらいに来た山下くんに食って掛かった。

「はあ?どうして輝也なんだよ?」

「輝也くんをここに置いておくと、圭介くんがサボるから」

当たってるから反撃しづらいが、俺は納得いかない。店長会議の議題にも上がっていなかったじゃないか?山下くんの横暴だ。特権乱用だ。

「その上、しーちゃんまで俺から取り上げるの?《有明の月》はどうすんだよ!?」

ヒートアップする俺とは逆に、山下くんは涼しい顔で書類をヒラヒラさせながら言った。

「ここをよーく読んでご覧」

その書類は、俺が判を押すだけになっている決裁書だ。

「押さないからな!」

「押してください」

「絶対に反対!」

いつも優しい山下くんが、厳しい顔付きで俺に問い掛けた。

「今、《325》を任せられるのはしーちゃんくらいでしょ?それとも圭介くんが、《SUZAKU》と《325》を2軒纏めて見てくれるの?それなら俺にも不服はないけど?」

それでは何の解決にもなっていないじゃないか?輝也の《BlauGarten》異動ありき、の話しじゃないか?問題はしーちゃんではなく、輝也なのだ。

「山下くんは俺の質問に答えていないだろ?《有明の月は》どうするんだよ?」

「あのさ、圭介くん。先週の会議には『飲み過ぎで出られない』、って君は電話で言ったよね?輝也くんには会議資料を持たせたじゃないか?読んでないの?」

「・・・あった、かな?」

ええっと・・・。ああ、確か「バッグの中に入れておけ」と言って、そのままだった。もしも、その中に俺の印鑑が必要な書類があったならば、輝也に伝言があったはず。それもないから、すっかり忘れていた。

来週の店長会議までに目を通せばいい、とばかり思っていた。

完全に、山下くんにしてやられた。

「読んでいないんだね?」

「読んだけど!」

「読んだけど?」

「記憶にない」

「はい、読んでない。決定ね」

「山下くん!」

嘘はお見通しだな。山下くんは苦笑しながら聞いた。

「読んでないよね?」

「・・・ごめん」

「もし、あれを君がすぐに読んでいたならば、今頃になって文句を言うわけがないからね」

「・・・すみませんでした」

輝也は、どうしてこんな重要な事を俺に相談しなかったんだよ?

「それはわかったけどさ・・・」

「輝也くんには俺たちが口止めしたんだよ。君が煩いから」

読心術がお得意な山下くんは、俺が「輝也から聞いていない」という前に、自分が口止めした事を白状した。

もし俺が先週の資料を読んでいれば、同じ事じゃないか?どうして先に言ってくれなかったんだよ?

「電話で言ってくれればよかったじゃないか?俺だけ除け者かよ?」

「そうだよ」

「・・・はっきり言うじゃないか?」

俺って、山下くんを怒らせるような事、したっけ?

山下くんの顔を見たが、特にお怒りのご様子でもない。淡々としている。山下くんの方がやや正論だとはわかってはいるが、納得いかない。

「・・・不当だ」

「どこが?」

「俺に相談もなく」

「君、休む前に俺に電話してきたよね?会議の決定事項に関しては俺に『一任します』、と言わなかったっけ?」

「・・・言ったっけ?」

「言った。輝也くんに委任状も持たせています」

「あ・・・ああ」

しまった。委任状。何枚か纏めてサインして印鑑を押してるのを「持って行ってくれ」、って言ったんだ。

「だから君の一票は、俺が賛成票として投じた。何か、問題でもあるの?」

「俺は《有明の月》の店長だよ。一言相談してくれたっていいじゃないか?しーちゃんに抜けられたら、あっちが困るんだけど?」

「困りはしないさ。新しい店長も決定したしね」

「俺は、《有明の月》はしーちゃんに任せようかと・・・」

「まだ何か文句があるの?俺は印鑑を押して欲しいとお願いしてるんだけど?」

山下くんは、俺の印鑑の所だけが空白の決裁書を広げて見せた。

「・・・」

「他の者の人事には一切口を出さないのに、輝也くんの人事にだけは口を挟む。そんな君に、一々相談しなければならないのかい?会議に諮って皆の同意を得た結果だよ?君も賛成した。どこが不当なのかな?」

賛成してません。委任状って言ったって、紙切れ一枚だろ?

「・・・」

「今、紙切れ一枚ごとき、と思ったね?」

「・・・」

やはり、山下くんはエスパーだ。

「あれはただの紙切れじゃない。委任状だよ?輝也くんには先週の会議で初めて知らせたんだ。彼も驚いていたけれど、すぐに快諾してくれたよ」

ぐうの音も出なくなった俺に、最後の一撃。

「《有明の月》の昼は、小鳥居くんに任せる事になったから」

「小鳥居」

「空気を入れ替えないとね」

「・・・俺だって、一生懸命やってるんですけど」

「とにかく決まった事だからね。文句は会議に出てきてから言え」

「・・・」

山下くんに何も言い返せずに、俺はソッポを向いた。印鑑は押さない。


 5月オープン予定の《BlauGarten》の店長となる輝也は、3月から準備に入る。《ビストロ・325》には今日からしーちゃんが入る。

しーちゃんの彼氏・星野伊織は《星の家》を一旦閉業して、今は『S-five』に勤務している。《325》に勤務していた伊織くんも、《BlauGarten》に異動になる。

「これって、完全に俺だけ除け者じゃないか?」

バッグの中に押し込まれていた会議資料を読みながら、俺は悲しくなってきた。会議に参加していた幹部たちは勿論だが、輝也も、しーちゃんも、伊織くんも俺には相談もしなかった、って事だよな?

「も、やってらんない」

これじゃ騙まし討ちじゃないか?

会議に出なかった俺が悪いのか?そんなのテンちゃんだって、高田くんだって同じじゃないか?あの2人は俺よりも出席率が悪いぞ。

俺はたまたま休んでいただけなのに・・・。それも半年振りだと思う。

まるで俺が休むのを待っていたかのような・・・。やはりこれは不当な決定だ。俺は会議資料と信吾さんたちの決済印が押された書類を放り出して立ち上がった。


「店長!どこに行くのさ!」

《SUZAKU》のホールを掃いていた三瀬李紅が、怖い顔をして呼び止めた。箒を持って仁王立ちだ。

「ベニ、後は任せた。俺は本社に行く」

「本社?」

「ああ。文句を言ってくる」

ベニちゃんは箒を構えて俺に近付いてきた。その箒で誰を殴るつもりだよ?

「誰に?」

「社長」

「ふうん・・・。『いってらっしゃい』と言いたい所だけど、ダメですよ」

ツンと上を向いた可愛らしい鼻を膨らませながら、ベニちゃんが厳しい事を言う。こういう所、しーちゃんに似ている。

「ベニちゃん、堅い事は言わないの」

ベニちゃんの柔らかい頬っぺたを両方から引っ張りながら言うと、ベニちゃんは気の毒そうに言い返した。

「俺は店長の事が大好きだよ。輝也くんと志村くんの異動が店長がいない日に決まってたのを、怒るのも無理はないと思う。でもさ、店長は委任状を出したんでしょ?」

全く、痛い所を突いてくる。ベニちゃん、似なくてもいい所が山下くんに似てきている。ここにもいたよ。チビ軍曹。

「・・・だからなんだよ?」

「社長に文句を言う前に、話しをしないといけない人がいるんじゃないの?」

「誰だよ」

「愛しのテル」

「・・・」

「諦めろ」

「・・・嫌だ」

ベニちゃんは呆れたような顔をした。そして俺に箒を投げ付け、油断した俺の手からキーケースと財布を取り上げた。

「こら!返せ!」

「返しませんよーだ!」

ベニちゃんは俺に向かってアッカンベーと舌を出し、財布とキーケースを持って逃走した。

*****

ご訪問ありがとうございます!ごゆっくりお過ごしくださいませ!

輝也と圭介。もう書き尽くした、と日高は思ってるんですけどね・・・。最終回までよろしくお付き合いくださいませ。

   日高千湖

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ありがとうございました!
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管理人のみ閲覧できます
このコメントは管理人のみ閲覧できます
2018/03/01(木) 22:50 | | #[ 編集]
拍手鍵コメ・aさま~いらっしゃいませ♪
拍手鍵コメ・aさま~いらっしゃいませ♪

お久し振りですね。更新を止めておりましたおかげで、旧ブログから全て移動が終わりました!後はUPし忘れがないか確認するだけです!

投票も無事に終わりまして、ホッと一息です。やはりエラーが起きていたんでしょうね。何日か続けて投票出来なかった、というコメントもございましたね。

申し訳ないです。

FC2ブログさんが悪いのか、ブログ村が悪いのかわかりませんが、もう1週間以上日高のパソコンからブログ村のバナーを押してもポイントが付かないんですよねwwwまあ、いいか~と思っていたんですが。

日高も詳しい方ではないので、エラーがなぜ起こるのかは不明です。すみません。

お話の方はUPできるのでお許しくださいっ!!

アンケートは簡単なようで難しいですね。注意書きにも追加の件は書いておりますからね。まあ、お祭り~♪と思ってくださいね!

またお気軽にお声をおかけくださいね~♪拍手&コメントありがとうございました!
2018/03/01(木) 23:23 | URL | 日高千湖 #-[ 編集]
Re: 鍵コメ・Mさま~いらっしゃいませ♪
鍵コメ・Mさま~いらっしゃいませ♪

いつもご訪問くださいましてありがとうございます。お優しいお言葉を頂いて、嬉しいです!

毎日更新できればいいんですけどね。時間の許す限りはUPしたいと思っております♪

輝也と圭介ですが、相変わらず仲が良いのでラブラブしていると思いますよ。読み直しですか?ボロが出てきますので、ボンヤリと読んでくださいね(笑)

日高宅も大所帯になり、お久し振りのキャラを書く時は日高も読み直しますwww下書きから書き足す時に、設定を変更していたりするんですよね。←書きとめろ

お休みを頂きながらボチボチ頑張りますね!コメントありがとうございました!
2018/03/01(木) 23:29 | URL | 日高千湖 #-[ 編集]
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