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『夢見月夜曲』は日高千湖のオリジナルBL小説ブログです。

最強ミッション・チョコレート大作戦を回避せよ。【前編】

『💛招待状💛2月11日午後18時💛《インカローズ》集合💛』

「なんだ、これ?」

ピンク色の封筒の中身はピンク色のカード。そしてカードには羽が生えたハートが全面に描かれている。山下くんに渡された封筒は見ただけで、誰からかわかるんだけど・・・。

「さあ?中身は知らないよ。俺は圭介くんに渡してくれって頼まれただけだから」

「まあちゃん、何をやる気だろう?」

「どれどれ」

山下くんの指がカードを奪っていく。

「18時?」

「そう」

「今日は《インカローズ》は休みだから、特に問題はないんだけど」

「だな」

「パーティー、とか?」

「まさか!"あの"まあちゃんの主催で?それはもう、薫が迷わずに三木くんに電話するから、一番に俺らの耳に入ってるだろう?」

「あははっ。そうだね」

「何があるんだろう?」

山下くんも何が計画されているか知らないようだ。首を捻ってる。

「圭介くん、行くの?」

「うーん?俺、嫌な予感しかしないんですけど」

危険な香りがする。まあちゃんがこういう"良い事考えた!"的な事をやる時は、最大の注意が必要なのだ。

「行ってくれば?」

山下くんはカードを俺に戻そうとする。

「いや、山下くんが行きなよ」

俺は山下くんが戻してきたカードを受け取らずに押し返した。山下くんは笑いながらカードを俺に押し付ける。

「こんなもん、預かってこないでよ」

預かった山下くんが悪い。

「土師くんに頼まれたんだ。仕方がないだろう?」

まあちゃんめ。土師くんを使うなんて、心得ておるな。

「どこかで落としてくれても良かったんだけど!」

「それじゃ、俺がマヌケみたいじゃないか?」

「はあっ。たまにはマヌケな山下くんも可愛いよ?ねえ、一緒に行かない?」

「無理」

「えーっ!いいじゃないか!?山下くんも一緒に行こうよ?きっと楽しいよ?」

「楽しいのなら圭介くん一人でも問題ないね。いってらっしゃい」

墓穴を掘ってしまった・・・。

「それに俺は忙しいから」

山下くんは俺が溜め込んでいた領収書の束を指差した。ああ、怖い。いつも温厚な山下くんに睨まれるのが一番怖い。

「そんな言い方しないでよ?まるで俺が暇みたいじゃないか?」

「暇なんだろ?」

山下くんは今度は俺のパソコンを指さした。パソコンの画面は真っ青な海。タヒチに行きたいな~、なんて思って検索中でした。ごめんなさい、もうしません。

「・・・暇じゃない」

「そう?」

「領収書、自分でやるから」

「そう!良かった!じゃあ、頑張って!」

山下くんは俺の肩をポンと叩いて笑う。憎らしい笑顔だ。ちゃっかりと仕事を押し付けられたような気がする。


 17時30分。俺のスマホが鳴りだした。もう、絶対にまあちゃんだ。渋い顔をして山下くんを見たが、山下くんは素知らぬふりをした。

元気に鳴るスマホの液晶画面を見ると、やはり思ったとおりまあちゃんだ。

「・・・」

「出ないの?」

「だってさ、相手はまあちゃんだよ」

スマホの液晶画面を山下くんに向けると、山下くんは「お気の毒に」と呟いた。

「催促の電話だよ。もうすぐ集合時間だからね」

「ねえ、山下くんは何があるか知ってるんでしょ?」

「知らないよ。電話に出て聞けばいいじゃないか?」

「山下くん、冷たいね」

「冷たくはないさ。君の電話じゃないか」

「山下くん、出なよ」

山下くんにスマホを押しやると、速攻で押し返してくる。

「圭介くんの電話に俺が出るの、おかしいよ」

「いいよ。出てよ」

もう一度スマホを山下くんの方に押す。山下くんは「仕方がないな」と言いながらスマホを受け取り、スピーカーに切り替えた。

「はい」

『圭介さん!?遅いよ!?早くおいでよ!』

でっかい声。山下くんはスピーカーからガンガン流れてくるまあちゃんの声に苦笑しながら返事をした。

「山下です」

『ひっ』

電話に出たのが山下くんとわかったまあちゃんが、電話の向こうであわあわしているのが目に浮かぶ。山下くんはまあちゃんの天敵だからな。唯一、まあちゃんの"お願い"を拒否する男だ。

まあちゃんが相手にするには100年早い。

『や、山下店長!こんにちは!あの~僕、花岡真樹です!お疲れさまです!』

「お疲れさま。今日はお休みだね。どう?ノンビリ出来てる?」

『は、はいっ!ありがとうございます!あの~それでですね。土師さんにお願いしてたんですけど・・・。圭介さんにピンクの封筒を渡してくれましたか?』

「土師くんから受け取って、間違いなく圭介くんに渡しましたよ」

山下くんは『間違いなく』を強調して言った。そして、「ほら」と言わんばかりに俺を睨む。

『あの・・・18時集合なんですけど・・・そろそろ・・・あのぉ・・・』

まあちゃんは意地悪な山下くんが時間になっても俺を行かせてくれないのだ、とでも思っているようだ。山下くんは俺を睨んだ。俺は手を合わせて口だけ「ごめん」を繰り返す。

「圭介くんはまだ仕事中だよ」

『絶対に来て欲しいんです!お願いします!』

「伝えておくね」

『お願いします!』

ピッと電話が切れて、山下くんはニヤニヤしている。

「行かないの?」

「行かない」

「俺がカードを渡してないとでも思っているよ、彼は。このままじゃ、俺一人が悪者じゃないか?」

「だってさ」

「行ったら?」

「やだ」

「我が儘言わずに」

何という事をおっしゃる、山下くん!君ともあろう者が!君は仕事の鬼だろう?うちの会社の鬼軍曹じゃないか?仕事が終わるまで退社してはいけませんと言ってくれ!

「はあ?俺、仕事中なんですけど?」

「何度も電話が掛かってきて面倒な事になる前に、行ってくれない?」

「山下くん、意味がわかりません。普通は行ってはいけませんと止める所でしょうが!」

山下くんはそれはそれは美しいお顔で微笑んでいた。

「領収書は俺がやっておくからさ」

「・・・これってさ、参加者は俺だけなの?他にも封筒を渡した人はいないの?」

「圭介くん以外には預かっていません。とにかく行けばわかるさ」

こうして、山下くんにさあさあと追い立てられた俺は《インカローズ》へと向かう破目になってしまった。

もう、不安しかないんですけど?

*****

ご訪問ありがとうございます!ごゆっくりお過ごしくださいませ!

今年のバレンタインデー企画は圭介になっちゃいましたwwwあっ、圭介&まあちゃんか(笑)お忘れの方はどうぞ→空と海と、僕と彼【前編】

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2020/02/13(木) 08:20 | | #[ 編集]
Re: 鍵コメ・Rさま~いらっしゃいませ♪
鍵コメ・Rさま~いらっしゃいませ♪

すみません、昨日バタバタしてましてお返事が出来ませんでした!!申し訳ございませんっ!!

今日のツボ(笑)ありがとうございます。まあちゃんは山下くんの登場が一番緊張するようですよ。

毎年彼は何かしらやってるようなので、圭介も自分が選ばれるとは思っても見なかったんじゃないでしょうか?次話がUPされておりますので、ご確認くださいませね。

コメントありがとうございました!
2020/02/14(金) 07:10 | URL | 日高千湖 #-[ 編集]
拍手鍵コメ・Kさま~いらっしゃいませ♪
Kさま、いらっしゃいませ♪

お返事が遅くなりまして申し訳ございませんでした!!

まあちゃんです(笑)すでに次話がUPされていますので、この先はおわかりだと思いますので・・・。

稲村くんの見守りもありがとうございます♪嬉しいです♪

いつも応援ありがとうございます!!こじらせ系の彼もお願いしますね!

拍手&コメントありがとうございました!

2020/02/14(金) 07:24 | URL | 日高千湖 #-[ 編集]
拍手コメ・アザミさま~いらっしゃいませ♪
アザミさま~いらっしゃいませ♪

お返事が遅くなり申し訳ありません!!

すでに次話がUPされておりますので展開はおわかりと思いますので・・・。

まあちゃんは山下くんが苦手なんですよ。まあちゃんの「お願い」が全く通じない人なので(笑)

ヒロとの関係もあるので苦手意識があるようですよ。

こちらこそ応援してくださってありがとうございます!!拍手&コメントありがとうございました!
2020/02/14(金) 07:31 | URL | 日高千湖 #-[ 編集]
拍手鍵コメ・aさま~いらっしゃいませ♪
aさま~いらっしゃいませ♪

お返事が遅くなり、申し訳ございませんでした!!

えっ?まあちゃんがそんな洒落た事を考えますか(笑)彼、基本的に自分が世界の中心ですよ(笑)

風邪は大丈夫ですか?日高んちも息子2号が風邪を引き、なかなか良くなりません。インフルの検査を3回もして陰性ばかりでしたwww

お大事になさってくださいませね。

文章は難しいですね。上手にはなりませんね、こればかりは。頑張って書き書きします。日々精進。

拍手&コメントありがとうございました!


2020/02/14(金) 07:36 | URL | 日高千湖 #-[ 編集]
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